バッグと持つ人の相性について

外出デビューは予想外に厳しいものとなり、友人の前で少し恥をかいたような気がしていました。

しばらくは、そのバッグに触れることも出来ないほどでした。

完全に自信を失ってしまったのです。

というのも、そもそも私が今までブランドバッグを買わなかった理由に、似合う人が少ないという感覚があったからなのです。

そんなことがあるのかと疑問に思われそうですが、少なくとも私のなかには、バッグと持っている人の相性というものが存在すると確信しています。

当時の私は、ハイクオリティなバッグを持つなら、それに合わせて洋服も、最低限のルールをもって選ばなければならないと考えていました。

私が持っているような明らかに安いものではなく、バッグに見合った、できるだけ品質の良いものを着ることがバッグに対するマナーだと思っていたのです。

そんな風に敷居の高いものと捉えていたので、それまで、日常生活でブランドバッグを格好よく持っている人は1度もみたことがない状態でした。

どうしてもバッグだけが浮いて見えるのです。

私の憧れの人のような、ブランドバッグをサラリと持っているようなスタイルは、どこを探しても見つけられません。

このように、服と合わせるのが難しいし、気軽に買うものではないという自分なりの美意識を持っていました。

だからこそ、自信が持てなくて避けていたのかもしれません。

この私の考えからいけば、服も靴も、すべてをバッグに合わせて改革しなければならないことになります。

そこまでしなくてもいいのに、他人から似合っていないと思われるかもしれないと考えると、すべてを高級志向に変えるべきだと躍起になっていました。

すぐにファッションモールに行って、今まで選ばなかったような高い値段の服を買いました。

ネットでも同じように高額な服を買いそろえました。

もちろん靴も手を抜きません。

履きたいと思えば、試し履きもせずに、それを即購入しました。

それが、ハイクオリティで大人な自分を確立することだと思ったし、より高めることになると信じていたのでした。

事実、買い物をしている間は嬉しくて、安物を買っていた頃よりもずっと、ラグジュアリー気分を味わえました。

でも、この強いこだわりこそが、私をブランドバッグの真の魅力から遠ざけていたのです。