ブランドバッグを持って初めて外出した日

数日するとバッグが届きました。

丁寧に梱包された包みからでてきたのは、雑誌で見たとおりのあのバッグでした。

嬉しくて子供のようにはしゃいでしまいました。

そして気づいたのです。

大人の自分を確立するということは、もしかしたら、こうやって子供のような自分を解放してあげることなのかもしれないと。

つまり、安いけれど品質が伴わないバッグを大量に買っても、これだけ喜びはあふれてこないということです。

少し奮発して買ったバッグだからこそ、やり遂げたという気持ちで幸せ感を感じることができるのかもしれません。

今まで味わったことのない興奮を、バッグを手にしながらかみしめていました。

そして次の日、友人とショッピングに行く約束をしていた私は、早速そのバッグを持って行くことにしました。

出かける前に、バッグに合う服をコーディネートしていて、予想外の問題が起きました。

バッグはあるけれど、それにマッチした服がないのです。

安物の服しかないので、バッグまでもが安くみえてしまう。

クローゼットをひっくり返して探しましたが、自信を持って着られる服がみつかりません。

こんなことなら、先日捨てた服を残しておけばよかったと後悔もしました。

でも、捨てた服も安物だったし、気に入っているものではなかったので何着あったとしても同じことです。

こうして鏡の前で何時間も悩んでいました。

結局、待ち合わせの時間がきてしまったので、いつもの普段着を合わせることにしました。

納得のいかないまま、なんとなくバッグに申し訳ないような気持ちになっていました。

その日、友人はバッグが素敵だと褒めてくれましたが、私に似合っているとは言ってくれなかったのです。

それは多分、自分で気にしすぎなのだと思います。

バッグが似合うなどとは、普通の感覚ではないのかもしれません。

でも私にとってバッグは小物ではなく、服と同じように自分の個性を表現するものだと思っています。

ブランドバッグを持って出かけた初日は、こうして納得がいかないまま終わったのでした。